ji-pankun

メジロマックイーン

蝶のように舞い、焼き飯のように美味い

 結露がすごいんです。部屋のベッドの頭側にベランダに面する窓があって、暖房もつけていないのに、夜になると、もう、すごいんです。いっぱい出たね...て照れちゃうくらい。微笑みながら僕はティッシュでそれを処理します。

 28日に仕事を納めた。昼休みに職場内の友達宛に、年末のごあいさつ、という名の怪文書めいたメールを作成する。思いつきでたまに送っているのだが、送信済みフォルダを見ると送るのは前回から1年以上ぶりのことだった。興が乗り20分程度でそこそこ納得のいく内容の文章が出来たので送信。彼女らには言っていないが裏テーマは「偶然と想像」。ま、ちょっとでも笑って心が緩んでくれたら嬉しい。無事仕事を終えてよいお年を〜とたくさん言って退勤。人に、よいお年を、と言うのが実はけっこう好き。

 29日。昼過ぎから水回りの掃除。俺なりに真面目に取り組んだ。夜、近所のいつものお店へ行く。今年の最終営業日。常連の人が集まって楽しそう。ブリ大根とパスタを出してもらう。オーナーの方はいつも適当に優しく、一人でいる自分に丁度いい塩梅で話しかけてくれるのだが、なんせコミュニケーションの瞬発力がない私は、ニヤニヤしながらうへへ、とかア〜、とかいう返事しかできない。そしていつも、その日の帰り道にやり取りを反芻する。帰り際、来年はカマしていこう、と言われイイな〜俺もカマしてえ〜と思った。カマシワシントン。ちょっと気分が良くなったので、その足取りで友達のお店へ向かい、だらだらと居座りレコード1枚だけ買って帰宅。

 30日。朝起きて今年最後の洗濯をカマす。実家へ向かう。親戚の子どもが来た。会わないうちにある程度のコミュニケーションが取れる生き物になっていることに少しビビる。1ヶ月ほど前に岐阜に遊びに行った時に注文したお蕎麦が届いていたので、1日早いが食べた。そして今年はなんとなく一人で年を越すことに決めた。家に帰り、クイズ正解は一年後を見、就寝。

 31日。10時ごろ起きる。年始に友達と約束している映画が楽しみすぎて、やっぱり年内にいっかい一人で見ちゃお...!とトイレでスケジュールを見たらもう上映開始時間過ぎてた。残念...と思いながら、実家から持って帰ったみかんを食べている最中に上唇の肉を噛みちぎり流血。俺の2021エンディングなんてこんなもんよな〜と思った。ベッドのシーツを替えて、夕方、買い物してDVDレンタルにツタヤ。年内限定配信の、不気味なものの肌に触れる、を見ていると、県外の友達からお〜いと連絡がきて、ちょっとだけ顔を出す。会えると思っていなかった分嬉しかった。家に帰りペパーミントキャンディを見る。イチャンドン映画は気合入れないと見れないとおもって年末にぶつけてみた。続けてカウリスマキの浮き雲。序盤のシーンで、アレ、なんかこれ見たことある!と気づく。半分くらい見てやめた。明日起きたら見よう。ベッドに入り、滝口悠生の窓目くんの手記を読む。やはり好みすぎる文章で惚れ惚れした。そんなこんなで、いつの間にか年明け。やっほーいあけおめー。