ji-pankun

メジロマックイーン

ここだけの話、

 テーブルの奥に座る友だちが泣いていたら、そりゃ涙を拭くものを渡すじゃないですか。そのときティッシュは持ち合わせていなくって、リュックの中を探るとハンカチがあったので、あこれでいいか、と。ハンカチを手に取り友だちへと差し伸べようとしたその時、折り畳んだハンカチの間からコンドームがひとつ、出てきたのです。不意の事に驚くも表情は動かさぬまま。ハンカチからコンドームのみを抜き取りその場は事なきを得ました。

ほんとうに浅ましいなと思った。この一連の出来事に対して、友だちの心に寄り添うことより、文章にして可笑しさを浮かび上がらせることを選んだわたしの心というものはなんて浅ましいのでしょう。

透明の涙を流す友だちへ渡す黒いハンカチに挟まった下品なピンクのコンドーム。わたしの心は何色でしょう。